時間分散は誤解されている

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前回の記事(積立投資・ドルコスト平均法はリスクを高める)に対して、ドルコスト平均法ではなく一括投資の定率リバランスをすると、「最初に買うタイミングで成績がほとんど決まってしまいそう」というコメントをいただいた。

この点について補足しておく。

一括投資の定率リバランスがいいのは機会損失がないというのもあるが、機会損失に差が生まれないようにエクスポージャーを揃えた場合であっても、積立投資よりも時間分散されタイミングの影響が最小化される。

わかりやすいようにもっと極端な例を考えてみよう。

Aは10年間常に資産の10%を投資、Bは9年間は投資せずに1年間だけ全資産を投資するとする。

資産に対するリスク資産比率AB
1年目10%0%
2年目10%0%
3年目10%0%
4年目10%0%
5年目10%0%
6年目10%0%
7年目10%0%
8年目10%0%
9年目10%0%
10年目10%100%

表では、Bが投資するのは最後の1年間としたが、どの1年間であってもかまわない。

タイミングの影響をより強く受けるのはどちらだろうか。

考えるまでもなくBである。

Bは投資した1年間でリターンが100%決まってしまうため、資産額の振れ幅が大きくなる。

それに対してAは常にリスク資産比率を一定にしている。

リスク資産比率を一定にすると、年間リターンの順番が替わっても、累積リターンは等しくなる。

そのため、資産額の振れ幅が小さくなる。

ここまで極端ではないが、ドルコスト平均法や積立投資は特定のタイミングへの集中投資をしていることになる。

積立前半のリターンは資産額への影響が小さく、積立後半のリターンは資産額への影響が大きいからだ。

そのため、同じエクスポージャー(金額×時間が等しい)の一括投資の定率リバランスよりタイミングの影響が大きく、資産額の振れ幅が大きくなる。

時間分散の恩恵を受けようと思った時にやるべきことはエクスポージャーの分散であって、資金投入のタイミングの分散ではない。

なお、前回の記事で一括投資はリスク資産と現金の比率を1:1にしたのはエクスポージャーを揃えるためであって、この比率が最適なわけではない。

最適なリスク資産比率は、リスク資産の期待リターンとリスクによって変わる。

それにしても、この時間分散に関する誤解は非常に根強い。

証券会社がドルコスト平均法で時間分散されると主張するのは、嘘をついてでも顧客に積立投資させるためだとその意図は理解できる(もちろん同意はできない)が、金融庁までもがこの嘘に加担しているのだ(投資の基本:金融庁)。

言語道断であり許しがたい。

ドルコスト平均法について整理するという記事でも書かれていたが、「ドルコスト平均法は有利」という発言は「私は頭が悪いです」または「私は金融機関の回し者です」と言っているに等しい。

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