相場が読めなくても株と現金比率の調整だけで暴落を回避する投資法

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相場を読むのは難しいのでタイミング投資は避けて、ポートフォリオを決めたらその比率を維持するのがいいと言われています。

しかし、一定のルールに従ってポートフォリオの比率を調整することで、リターンを維持しつつ、暴落を回避することが可能になります。

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タイミング投資とは

相場を読むのは非常に難しいです。

プロが運用するアクティブファンドであっても、そのほとんどがベンチマークとするインデックスに勝つことができていません。

アクティブファンドの勝率

画像は、WisdomTreeの’Do Active Managers Outperform In Inefficient Markets?’という記事から拝借しました。

アメリカのS&P500の各指数をベンチマークとするアクティブファンドの勝率が示されていますが、ほとんどがのアクティブファンドがベンチマークとするインデックスに負けているのがわかります。

そのため、アクティブ運用や時期によって銘柄や割合を変えるタイミング投資は避けて、一度インデックスファンドによるポートフォリオを決めたら、その比率を維持するのがいいと言われています。

相場を読まないタイミング投資

タイミング投資の中にも、相場や世界情勢、銘柄の業績を読んだり、チャートを分析する以外の方法もあります。

それが一定のルールに従ってポートフォリオを決めるタイミング投資です。

モメンタム戦略

その代表例が、『ウォール街のモメンタムウォーカー』で取り上げられていたデュアルモメンタムです。

デュアルモメンタムでは、米国株式と非米国株式と米国短期債の過去1年間のリターンを毎月確認し、最もリターンのよい資産に100%の運用資金を投資します。

ターゲット・ボラティリティ戦略

モメンタム戦略以外にも、相場を読まずに過去の値動きから一定のルールに従ってポートフォリオを決める投資法はあります。

その1つが、これから紹介するターゲット・ボラティリティ戦略です。

ターゲット・ボラティリティ戦略では、ポートフォリオに加えて、目標とするボラティリティ(価格の変動幅)を決めます。

そして、目標のボラティリティになるように、ポートフォリオと現金の比率を毎月末など一定のタイミングで変えます

例えば、過去の1ヶ月のボラティリティが10%になるのを目標とした場合に、ポートフォリオの過去1ヶ月のボラティリティが20%だったとします。

その場合は10÷20=0.5なので、ポートフォリオと現金の比率はそれぞれ50%とするといった具合です。

リターンの予想は難しいが、リスクの予想はある程度可能

ターゲット・ボラティリティ戦略の背景には、リターンの予想は難しいが、リスク(ボラティリティ)の予想はある程度可能だという考えがあります。

例えば、アメリカのS&P500に連動したミューチュアルファンドであるVanguard 500 Index Fund Investor Shares (VFINX)の1985年から2017年までの各年のリターンとリスクを見てみます。

VFINXのリターンとリスク

青い折れ線がリターン、オレンジの棒がリスクです。

リターンはよい年ではプラス37.45%、悪い年ではマイナス37.02%と変動が大きく、またプラスだった年の翌年に大きなマイナスになっていたりと、変動が激しいのがわかります。

一方のリスクは、単純にリターンとは比較できませんが、高い年で30.63%、低い年では3.94%で変動しており、また変動の仕方も緩やかで一定のトレンドがあるように見えます。

続いて、より短期のボラティリティについて見ていきます。

次の画像は、MSCI-Kokusai(日本を除く先進国株式の指数)の過去20日間のボラティリティとその後20日間のボラティリティです。

過去ボラティリティと将来ボラティリティ

画像は、三井住友信託銀行の「リスクパリティ・ポートフォリオはこれからも優れるのか」というレポートから拝借しました。

右肩上がりの回帰直線を引くことができ、短期の過去のボラティリティと将来のボラティリティには強い相関があることがわかります。

そのため、直近のボラティリティが高まった時に現金の比率を高めることで、将来のボラティリティを抑えることができ、暴落も回避することができるのではないかと考えられます。

株と現金比率の調整だけで暴落を回避する投資法

それでは、実際にターゲット・ボラティリティ戦略を検証していきます。

使うポートフォリオは、株式のみをリスク資産とするポートフォリオとします。

比較するためのベンチマークは、株式50%現金50%で保有するポートフォリオとします。

株式は検証期間を長く取れる、アメリカのS&P500に連動したミューチュアルファンドであるVanguard 500 Index Fund Investor Shares (VFINX)を使います。

このポートフォリオと同程度のボラティリティとなるようにターゲット・ボラティリティ戦略を組むと、同程度のリスクで、よりリターンの優れた、暴落を回避できる運用となるでしょうか。

検証に使うツールは、米国株式投資のバックテストに使える神ツールの記事で紹介したPortfolio Visualizerです。

検証結果がこちらです。

ターゲット・ボラティリティ戦略のバックテスト

青い線のTiming Portfolioがターゲット・ボラティリティ戦略、黄色の線のVFINX50%/CASHX50%がベンチマークである株式50%現金50%のポートフォリオ、赤い線のBuy & Hold Portfolioが株式100%のポートフォリオです。

ターゲット・ボラティリティ戦略は、株式50%現金50%のポートフォリオと同じリスクになるように、過去1ヶ月のボラティリティの目標を7.32%にし、毎月末に株式と現金の比率を調整しました。

ターゲット・ボラティリティ戦略は、株式50%現金50%のポートフォリオと同じリスクで、年平均で1.4%上回るリターン、10%以上低い最大ドローダウンになりました。

シャープレシオも、株式100%のポートフォリオと株式50%現金50%のポートフォリオよりも高くなっており、より投資効率が高まっています。

ターゲット・ボラティリティ戦略により、リターンを維持しつつ、ある程度暴落を回避できたと言えます。

手数料に注意

実際にターゲット・ボラティリティ戦略で運用する場合、一定の比率を維持する固定したポートフォリオに比べて、高い頻度で売買することになります。

今回のバックテストでは売買手数料や税金は加味していないので、それらを踏まえても有利だと思える場合に採用するようにしてください。

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