リバランスは逆張りではない

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リバランスと時間分散について考えてみました。

まず、これからの話においては、売買手数料は無料、無リスク利子率は0%という仮定で進めたいと思います。

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4種類のポートフォリオ戦略

ここでは、ポートフォリオの戦略を大きく4つに分けたいと思います。

凸戦略

1つ目は、凸戦略。

これは比率の下がった銘柄を売り、比率の上がった銘柄を買い増すという順張りの戦略です。

バイ&ホールド

2つ目は、バイ&ホールド。

これは比率の上がった銘柄も、下がった銘柄も売買しないという戦略です。

コンスタント・ミックス

3つ目は、コンスタント・ミックス。

これは、あらかじめ各銘柄の比率を決めておき、比率が上がった銘柄は元の水準まで売り、比率の下がった銘柄は元の水準まで買うというリバランスをする戦略です。

凹戦略

4つ目は、凹戦略。

これは、比率の上がった銘柄は元の水準以下になるまで売り、比率の下がった銘柄は元の水準以上になるまで買い増すという逆張りの戦略です。

この4つの戦略を順張りと逆張りとに分けると、一般には次のように考えられると思います。

  • 凸戦略:順張り
  • バイ&ホールド:順張りまたは中立
  • コンスタント・ミックス:逆張り
  • 凹戦略:逆張り

しかし、私は次のように捉えるべきだと考えています。

  • 凸戦略:順張り
  • バイ&ホールド:順張り
  • コンスタント・ミックス:中立
  • 凹戦略:逆張り

私の考えでは、バイ&ホールドは順張りであり、コンスタント・ミックスは中立です。

この理由を説明していきます。

バイ&ホールドの順張り性とコンスタント・ミックスの中立性

単純にするために、AとBという2つの銘柄について考えます。

AとBの相関係数は1です。

Aが上がる時はBも上がり、Aが下がる時はBも下がり、かつ騰落率は比例の関係にあります。

Aのベータは1とすると、Bのベータは2とします。

ある2日間の値動きによって、AとBの価格が次のように変化しました。

0日目1日目2日目
A100円110円143円
B100円120円192円

騰落率で見ると、このようになります。

1日目2日目
A+10%+30%
B+20%+60%

平均リターン、標準偏差、シャープレシオはこのようになります。

平均リターン標準偏差シャープレシオ
A20%10%2
B40%20%2

資産額100円でこれらの2銘柄を50%ずつ保有し、2日間バイ&ホールドした場合と、コンスタント・ミックスでリバランスした場合の資産額推移は次のようになります。

0日目1日目2日目
バイ&ホールド100円115円167.5円
コンスタント・ミックス100円115円166.75円

騰落率で見ると、このようになります。

1日目2日目
バイ&ホールド+15%約+45.65%
コンスタント・ミックス+15%+45%

平均リターン、標準偏差、シャープレシオはこのようになります。

平均リターン標準偏差シャープレシオ
バイ&ホールド約30.33%約15.33%約1.98
コンスタント・ミックス30%15%2

次に2日間の値動きを逆にした場合を考えます。

AとBの価格は次のように変化しました。

0日目1日目2日目
A100円130円143円
B100円160円192円

騰落率で見ると、このようになります。

1日目2日目
A+30%+10%
B+60%+20%

平均リターン、標準偏差、シャープレシオはこのようになります。

平均リターン標準偏差シャープレシオ
A20%10%2
B40%20%2

資産額100円でこれらの2銘柄を50%ずつ保有し、2日間バイ&ホールドした場合と、コンスタント・ミックスでリバランスした場合の資産額推移は次のようになります。

0日目1日目2日目
バイ&ホールド100円145円167.5円
コンスタント・ミックス100円145円166.75円

騰落率で見ると、このようになります。

1日目2日目
バイ&ホールド+45%約+15.52%
コンスタント・ミックス+45%+15%

平均リターン、標準偏差、シャープレシオはこのようになります。

平均リターン標準偏差シャープレシオ
バイ&ホールド約30.26%約14.74%約2.05
コンスタント・ミックス30%15%2

コンスタント・ミックスの場合は、値動きの順番に関係なく、シャープレシオは各銘柄と等しく2になっています。

一方、バイ&ホールドは、2よりも高くなったり、低くなっています。

バイ&ホールドにおいては、上昇や下落の傾向が強まる局面でシャープレシオが向上し、上昇や下落の傾向が弱まったり、リバーサルが起こる局面でシャープレシオが低下します。

このように、コンスタント・ミックスはリターンの順番に関係なくシャープレシオが一定であり、バイ&ホールドはリターンの順番によりシャープレシオが変動するため、コンスタント・ミックスが中立であり、バイ&ホールドが順張りであると捉えるべきであろうと考えています。

時間分散効果

ここまで、

  • 凸戦略:順張り
  • バイ&ホールド:順張り
  • コンスタント・ミックス:中立
  • 凹戦略:逆張り

であることを確認してきました。

もし仮に、順張りが有利な局面か、逆張りが有利な局面かわからないとすれば、中立であるコンスタント・ミックスを常に採用し続けるのが、最もバラつきを抑えることができます。

これを言い換えると、局面が読めないとすれば、コンスタント・ミックスが最も時間分散効果のある戦略だということになります。

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