リバランスの目的はリターンの向上ではない

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リバランスについてはリバランスはリターンを向上させるかという素晴らしい記事があるため、ほとんど付け加えることがないのですが、いくつか思いつくところを書いておきます。

なお、リバランスの記事なので、アセットアロケーションを固定してリバランスするコンスタント・ミックスと呼ばれる戦略を仮定して書きますが、アセットアロケーションは固定するのが最良と思っているわけではありません。

アノマリーを利用した手法については執筆中の書籍に書いています。

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リバランス・ボーナス

リバランスでリターンが改善するかどうか、いわゆるリバランス・ボーナスが発生するかどうかは、紹介した記事の中にもあったように

  • 個々の資産の相関係数が低い
  • 個々の資産のボラティリティが高い
  • 個々の資産のリターン差が小さい

という条件を満たすかどうかによります。

リターンが最も向上するリバランスのタイミングは、資産と資産の乖離が最も大きくなったタイミングです。

リバランス頻度を上げてもリターンが向上せず、年に1回程度が最もよかったという結論になる研究が多いのは、そのタイミングが資産と資産が大きくなりやすかったためです。

おそらく、これは中期的にはモメンタム(過去のリターンがよいと、それが継続し将来のリターンもよい)と呼ばれる現象があるため、リバランス頻度を上げると上昇途中で売り、下落途中で買うことになってしまうためだと考えられます。

そして、バイアンドホールドより年に1回程度のリバランスの方がリターンがいいのは、長期的にはリターン・リバーサル(過去のリターンがいいと将来のリターンは悪くなり、過去のリターンが悪いと将来のリターンはよくなる)が起こるためでしょう。

乖離率を利用したリバランス

リバランスには、一定の期間ごとに行うほかに、設定したポートフォリオの比率から〇%以上乖離したらリバランスするという、乖離率を利用する方法もあります。

乖離率にも絶対的な乖離率と相対的な乖離率の2種類があります。

例えば、株が60%、債券が40%のポートフォリオがあったとします。

絶対的な乖離率でのリバランスの基準を5%とした場合には、プラスマイナス5%を超えたらリバランスするので、株は55~65%、債券は35~45%の範囲を外れたらリバランスします。

同じポートフォリオにおいて、相対的な乖離率でのリバランスの基準を20%とした場合には、それぞれの資産の比率が80~120%を超えたらリバランスするので、株は48~72%、債券は32~48%の範囲を外れたらリバランスします。

乖離率を利用した方法は、一定の期間ごとにリバランスする方法よりシステマチックに思えますが、バックテストをした感じでは単純に年1回の方がよい結果になることが多いようです。

リバランスの目的はリターンを向上させることではない

このように特定の資産・特定の頻度によっては、リバランスすることでリターンが向上することもありますし、リターン差が大きい株と現金の場合のように、リバランスをせずにひたすら株が上がるの長期的に待つ方がリターンがよくなることもあるでしょう。

しかしながら、リバランスというのはリターン向上のためにやるものではありません。

シャープ・レシオが最も高くなる(と考える)ポートフォリオに投資し、その比率が崩れてきたら、シャープ・レシオが悪くならないように、最適なポートフォリオに戻すというのが、リバランスの目的です。

少なくとも合理的な投資家においてはそうです。

リバランスは手数料や税金がかかるので、コスト以上にシャープ・レシオへの悪影響が上回るタイミングが、ベストなリバランスのタイミングということになります。

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